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暇つぶし日記。生息地北海道。

スタンスミスへのラブレター

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君との出会いは、俺が中学1年ときだったかな。

 

今でもはっきりと覚えてる。

 

地元のスポーツ用品店に、初めて自分一人でスニーカーを買いに行ったんだ。

 

母ちゃんに貰った1万円を握りしめてね。

 

多分一目惚れってやつだったんだろうな。

 

純白に申し訳程度に踵部分の鮮やかな緑がアクセントですごい眩しかったよ。

 

最初は、友達が履いてるSUPER STAかCountry目当てだったんだよ。

 

だってadidasって言ったら、スリーラインだろ?

 

君にはスリーラインなんてなかったよね。

お前を見た瞬間、最初らスリーラインなんていらなかったんだよ。

 

あの時俺は店員さんにこう言った。

 

「25センチありますか?」

 

右足から順番に足を通した瞬間には、もう決まってたんだ。

 

覚えてるかな?

母ちゃんから貰った1万円と交換したお前を連れてバスで家に帰ったよな。

 

そこからは、どこに行くのもいつも君と一緒だったよね。

 

夏には海にも行ったし、地元のお祭り、ちょっとだけ大人の真似して悪い事もやったかな。

 

真っ白だった君もだんだんとボロボロになってしまったけど、それでと君が好きだったんだ。

 

でも君と一緒の時間はそんなに長くはなかった。

 

君と出会って1年くらいだったかな。

いつものように君と出かけようとした時に違和感を感じたんだ。

 

中学生の俺の成長は、自分でも驚く程早かったんだ。

 

いつのまにか君の背を追い越してしまった。

足の親指が痛かったけど、それ以上に心が痛かったんだ。

 

それから、また母ちゃんに貰った1万円を握って、君と初めて会ったあのスポーツ用品店に向かったんだ。

 

もうあんな悲しい思いはしたくなかったからadidasのforumを買いに行ったんだ。

 

やっぱりスリーラインにも憧れがあったしね。

 

店員さんとの会話はこうだったかな。

 

「27センチありますか?」

 

でも結局、母ちゃんの1万円と交換したのは、STAN SMITH。また君だった。

 

紐からベルクロに見た目は変わったけど、やっぱり君は素敵だったね。

 

あれから何年たったかな?

あの時俺は15歳だったから20年近くか。

 

いまは、また紐にもどった君がおじさんになった俺と一緒にいてくれる。

 

ありがとう。

そしてこれからも宜しく、STAN SMITH。